もし『イノベーションのジレンマ』の人が、家庭について書いたら

ビジネス書籍

イノベーションのジレンマ』という言葉があります。

イノベーションのジレンマ - Wikipedia

 

イノベーションのジレンマとは
「過去に成功体験が足枷になって新しいチャレンジが出来ない」ことを言います。例えば、「PC全盛期には上手くいったけど、その成功体験がでかすぎてスマートフォン市場への参入が遅れた」ような事例を指します。
 
同名の書籍も出ています。
有名なので、お読みになった方もいらっしゃるかもしれません。
 
 

さて、何が言いたいかというと…

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『イノベーションのジレンマ』の人が家庭について綴る

驚くことに、『イノベーションのジレンマ』の著者は、私生活、特に家庭についても本を出しているんですよ。

その名も『イノベーション・オブ・ライフ』。

 

ぼくは、たまたま会社の上司&同僚たちから強く勧められて読んだんですが、面白いです。

何が面白いって、著者が、かの有名なハーバード大学の教授、クレイトン・クリステンセンさんですから。

墜ちていくハーバード大卒の優秀な学生

率直に思いますよね。

 

どうして、ハーバードの教授ともあろうお方が、本職の仕事絡みじゃなくて、プライベート寄りの本を書いたんだろう?

 

実はこの答えは、いわゆる”はじめに”に書かれてました。

端折りながら共有すると、引き金は同窓会です。

もともと著者のクリステンセンさんは、ハーバード・ビジネススクールで教える講座の最終日に、自身の同級生を見ていて気がついたことを話しているんだそうなんですね。

最初、5年後の同窓会。

それはそれは、出席率は高いの、みんな羽振りが良さそうだの、楽しかったんだそう。

で、時が流れ、10年後の同窓会に。

彼にとって「おや?」ということが起きた。

まずは、再開をすごく楽しみにしていた学生の何人かが顔を見せなかった

勿論、ビジネスパーソンとして成功して多忙で同窓会どころじゃないという人もいたのでしょう。

ただ、それだけじゃなかった。

明らかに不幸せな人がいたんだ、と。

 

・社会的成功という仮面の陰で、多くの人が仕事を楽しんでいなかった。
・離婚や不幸な結婚生活の話もよく聞いた。
・ここ何年か子どもたちと口もきかず、大陸の両端に分かれて住んでいるという同級生がいたのも覚えている。
・卒業以来、三度目の結婚をしようとしている女性もいた。
 

前途有為なハーバード大卒の若者がどうして

クリステンセンさんは思ったんですね。

どうして、自分の周りの優秀でまっとうな同級生が、卒業に際して希望とビジョンを抱えた彼らが、卒業して5年後まで楽しそうだったにも関わらず、こんなにダメダメになってるんだ?

さらに時は流れ、25年目、30年目の同窓会。

そこに集った仲間の様子はというと…

 

・もちろん、賞賛すべき仕事&プライベートを実現している仲間もいる
・その一方で、信じられないくらい、もっとダメダメになっていった人たちもいた
・マネーロンダリングに伴う刑務所行き
・インサイダースキャンダル
・未成年者との性的行為による監獄行き
・離婚、離婚、離婚・・・

 

クリステンセンは、さぞ、びびったでしょう。

『仕事の成功』が足枷になり『家庭』に参入出来ないジレンマ

「そもそも”個人”という単位でイノベーションのジレンマに陥っている」

 

私は授業の最終日に、卒業生の人生に起こりがちなことをかいつまんで説明したあと、議論をさらに一歩進めて、組織をつくる最も基本的な要素である個人について、学生たちと考えることにしている。そしてこの講座では、ケーススタディとして企業を取り上げる代わりに自分自身について考えるのだ。

 

そこで彼が辿り着いた理論が、自らのイノベーションのジレンマよろしく。

『仕事の成功』が足枷になり『家庭の成功』に参入出来ないジレンマ、なのです。

こんな感じで説明されています。

仕事の成功というアリ地獄

生まれつき達成動機の高い人たちが沢山いる。
この動機を一番手っとり早く満たす方法が、キャリアだ。
わたしたちの資源配分プロセスは、時間や労力に多少余裕ができると、はっきりと目に見える成果がすぐに得られるような活動に注ぎ込んでしまうようにできている。こうした証拠を確実に得られるのが、キャリアなのだ。

 

なるほど、「キャリア」というのは、達成動機を満たす尺度であると同時に、見方によっては「はっきり目に見える成果を追求したい」という中毒性がある。

アリ地獄のようなものなのですね。

  • 昇進や昇給、ボーナスを優先し、立派な子どもを育てることを後回し
  • 昇進や昇給などで見返りを手にすると、家族の生活水準向上に捧げる(車、家、旅行…)
  • 生活水準維持のために、さらにキャリアに時間を注ぎ込む・・・

たった3行なのにエリートの悲哀が伝わってくる、悲しいスパイラル。これだけで歌詞が書けそうですね。

「近頃じゃ 夕食の 話題でさぁえ 仕事に 汚されていて〜♪」

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キャリア中毒になり、家庭のことを後回し

彼らは仕事に劣らず、プライベートでも満足できる生活を築こうとして、家族によりよい暮らしを与えるような選択をしたが、そうすることで知らず知らずのうちに伴侶と子どもをおろそかにしていた。
家族との関係に時間や労力を費やしても、出世コースを歩むときのように、すぐに達成感が得られるわけではない。

(中略)とくに前途洋々な若きエリートたちが陥りがちな間違いは、人生への投資の順序を好きに変えられると思いこむことだ。たとえばこんなふうに考える。
「今はまだ子どもたちが幼くて、子育てはそれほど大事じゃないから、仕事に専念しよう。子どもたちが少し成長して、大人と同じようなことに関心をもつようになれば、仕事のペースを落として、家庭に力を入れればいいさ」。

 

言い得て妙です…。

こういうことを大学卒業時に知れることは、非常に価値あるお話ですね。

このブログをご覧の方にも、ドキリとした方、いらっしゃるのではないでしょうか?

優先すべき子どもへの投資は『おしゃべり』

親の語りかけ量と成績に相関がある

こんな話があります。

 

生後2年半までの子どもに、親の語りかけが与える影響を調べる研究があり、親子間で行われるすべてのやりとりを、細心の注意を払って観察し、記録をした。
・結果、「おしゃべりな」親が、平均2100語/1時間を語りかけたのに対し、「おしゃべりではない」親は、平均600語/1時間しか語りかけなかった。
・これが、生後30ヶ月間(=2年半)で考えると、おしゃべりな親の子どもは平均4800万語を語りかけたのに対し、「おしゃべりではない」親の子どもはわずか1300万語しか語りかけられなかったことになる
・子どもたちが学校にあがってからも追跡調査を実施したところ、子どもたちに語りかけられた言葉の数は、彼らが生後30ヶ月間に聞いた言葉の数とも、成長してからの語彙と読解力の試験の成績とも、強い相関があった

 

研究によると、子どもが言葉に触れるべき最も重要な時期は、生後1年間なんだそうですよ。

単なる語りかけではない、余計なおしゃべりこそ

この話、実はもっと深いです。

ただ、単に子どもに何かを語りかければいいというわけではないんだそう。

 

「お昼寝の時間よ」
「車に乗りましょう」
「牛乳を全部飲んじゃいなさい」

といった単純な会話、ではなくて、

「赤のドレスと青のドレス、どっちがいい?」
「今日は雨が降りそうだね」
「●●だったらいいと思わない?」

 

子どもと面と向かって会話をし、まるで子どもが話し好きな大人たちの会話に加わっているかのように話しかけることが重要なんだとか。

こういう会話は、研究現場では、”言葉のダンス”だとか、”余計なおしゃべり”、だとか言われていて、子どもに身の周りで起きてることを深く考えさせる効果があり、脳内シナプス経路が活性化されるんだそうです。

想像よりもはるか前から、子どもとのおしゃべりへ投資を

あのクリステンセンが言うんですよ。

毎日毎日、小さな子どもに“余計なおしゃべり”することが重要なんだよと。

「多分あなたが思っているはるか前から、子どもに投資しなくてはいけない」、んだよと。

 

「低所得労働者でも、子どもにたくさん語りかけた人は、子どもの成績が非常によかった。また裕福な実業家でも、子どもにほとんど語りかけなかった人は、子どもの成績がとても悪かった。(中略)結果のばらつきはすべて、家庭内で3歳になるまでの幼児に語りかけられた言葉の量によって説明された」。 (中略)これほどの小さな投資が、これほど大きな利益を生む可能性があることには、唖然とさせられる。

 

イノベーションのジレンマの人が書いた、イノベーション・オブ・ライフ。

 

特に、親の語りかけの重要度のくだりは、「絵本の読み聞かせは良いんだよー」という話とつながった!

 

とにかくオススメの1冊です。

興味のお持ちの人は是非に。

ほんだらのー!

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この記事を書いた人
Seipon

ネット企業の人事の人。
妻&2人の子どもと渾身のパパライフ中。
育児や子育て・おすすめビジネス書などを中心に情報発信中。
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